翠灯舎 | Suitosha Inc. 翠灯舎 Suitosha Inc.

土門より退職のお知らせ

2017.12.19

こんにちは。土門です。
本日はひとつお知らせを。

2017年12月28日をもちまして、株式会社翠灯舎を退職することにいたしました。
この4年間、あっという間でしたが、私にとっては欠くことのできない4年間でした。
いろいろな方に出会い、たくさんの勉強をさせていただきました。
お世話になった皆々様には心よりお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

退職まであと10日、年が明けたらもうここに席はないのだなと思うと何だかさみしい毎日です。


翠灯舎でやっていたこと

2013年に入社してから4年、20代の後半をここで過ごさせてもらいました。
もともとは出版社の営業を4年やっていて、業界も職種も全然違う畑の出身。
Webの制作に携わることはおろか、ビジネスメールもほとんど書いたことがない状態でしたが、「翠灯舎で何ができるかわからないけど一緒に働きたい」という私の申し出に、「いいよー」ととても軽快に答えてくれた代表の田中・専務の佐野には本当に感謝しております。

20代の中盤、私は人生に行き詰まっていました。
書くことが好きで、本を作りたいという夢が昔からあって、それで出版社に入ったのですが、編集経験のないまま4年が過ぎ、そのうち子供も産まれ、育休明けて職場復帰したものの、心身ともに疲弊して退職。
ふと気づくと自分には何もキャリアが残っておらず、
「私には、好きなことを仕事にするなんて夢のまた夢だったのだ」
と毎日ものすごくネガティブなことを考え自分を責め続けていました(根が暗いもので…)。

でもそんな私にも残っているものがありました。
それは、学生時代から友人だった翠灯舎代表の田中と一緒に作っていたフリーペーパーの『音読』。
そのころ唯一『音読』だけが、自分の好きな「書くこと」で社会と繋がれる点でした。
「本を作りたい」という夢も、ここで小さく叶え続けていました。

なぜ翠灯舎で働きたいと思ったかというと、田中と佐野が尊敬できる友達だったから。
ふたりはそのころから、自分の好きなことを大事にしながら仕事もちゃんとする人でした。
そうしているふたりだからこそ、そこに入って来る人も「自分の好きなこと」がはっきりしていて、それをきちんと守って生活していきたい、という人が多かったのだと思います(歴代スタッフにバンドマン率が異常に高いのもそのせいだと思います)。

自分がここで『音読』をつくる以外に何ができるのかはわからないけれど、ここで働いてみたいなと思いました。
そのころにはもう自分の夢はほとんど諦めかけていて、何がしたいのかよくわからなかった。
「好きなことを仕事にする」ということがよくわからなくなっていたので、だったらここで、尊敬している友達、つまり自分の「好きな人たちと仕事をする」、ということをしてみようと思いました。
とにかく自分と仕事が乖離しない働き方をしたい、というのが、そのときの自分の目標でした。

最初は「私、ここにいていいのか?」というくらい仕事がなかったけれど、「書くことだけにこだわらず、自分にできる仕事は全部人からもらっていこう」と思いながら過ごすうち、少しずつ仕事が増えていき、最終的にはライティング業務のほかに、ディレクション、経理、社内教育、人事(面接に同席するだけですが)、総務、炊飯など、いろんなことを担当するようになりました。
はじめてやる仕事ばかりでしたが、基本は全部「みんなが少しでも楽に、楽しく仕事できるようにすること」だと思っていて、学ぶことはとても多く、楽しかった。
結果的には自分がいちばん楽しく仕事をさせてもらっていたように思います。


翠灯舎で学んだこと

翠灯舎は、やろうと思えば何でもできる場所でした。
「これがやりたい」と言えばほとんど何でもさせてもらえました。
うまくいくことばかりでは決してなくて、挫折をしたこともあったけれど、それでも最後には「勉強になったなあ」と言ってもらえる場所で、失敗を怖がる必要がなかった。
だからこそ、文句が言えない場所でもありました。
やろうと思えば何でもできる場所にいるとき、文句は全部自分にかえってきます。
やりたいことを仕事に変換する、仕事をやりたいことに変換する、ということを私はここで学びました。

そして、翠灯舎は「会社を育てる」ということを常に考えさせられる場所でした。
もともと友人関係にあった経営者ふたりと、5人という人数の少ないチームを編成しながら、「会社として存在する」とはどういうことなのかをずっとそばで見て、考えてきました。
経営って大変だなあ、勤めたほうが断然楽だよなあ、とサラリーマンしかやったことのないわたしははじめ思ったものですが、それでもここにいるうちに、人が自ら会社を作り動かしていく、その理由がだんだんわかってきたように思います。
自分たちで舵をとって、自分たちで進んでいくこと。
そんな大変なことがこんなにもおもしろいと感じることができたのは、この5人のメンバーだったからだと思います。


翠灯舎で得たもの


翠灯舎で働いたなかでもっとも大きい収穫は
「自分は仕事が好きだ」
と思えたことでした。
これはとても根の深いところで、私の自信になっています。
誰より優れているからとか、誰に評価されたからとか、そういうことではなくて、本当に基礎的な基礎なこと、「自分は仕事が好きだな」と思えたことは、純粋でゆるがない自信になりました。

30を迎えたとき、自分の仕事はやっぱり「書く」ことだ、と決めることができたのも、この自信がついたからこそだと思います。
ちょうどこのころ二人目を妊娠・出産しましたが、私の中の決意は全然揺るがなくて、「自分は自分のやりかたでキャリアを築いていったらいいや」と思うようになりました。

その後、翠灯舎は副業がOKなので、在籍中に土門蘭個人としてライティングのお仕事も複数させてもらい、2017年5月には、合同会社文鳥社という出版の会社を立ち上げ、最近そこで初めての本を著者として出しました。

やろうと思えば何でもできる場所であり、「会社を育てる」ことを学んだ場所であったからこそ、私は結果的に自分にとって最も大事な「書くこと」を選び、自分も会社をつくることを選んだのだと思います。

その基盤となる自信をつけてくれた翠灯舎には、本当に心から感謝しています。



これからについて

今後は文鳥社として、土門蘭として、「書く」仕事をしていこうと思っています。
卒業とか独立とか、いろいろ表現はありますが、私の中では原点回帰です。
翠灯舎で築いた「仕事が好きだ」という基盤に、これから自分ができることを一個一個積み上げていこうと思います。

「翠灯舎」という名前には、灯のもとにみんなが集まって、学んだり成長できる場所であるように、という意味が込められています。
「翠」はみどり。専務の佐野が好きな色ですが、この漢字には偶然、「羽」と「卒」という文字が含まれています。

私の会社が「文鳥社」という名前なのも偶然ですが、でもそういう場所だったな、と振り返ってみて改めて思います。


これまでお世話になった皆さま、そして翠灯舎の皆さん、本当にありがとうございました。
今後も一緒にお仕事させてください。
また土門と仕事がしたいな、と思ってもらえるよう、毎日精進します。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


土門蘭

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